歩み



「まず百合と話がしたい…それで今日泣いてたわけを聞きたいんだ」



もう迷いはないようだね。
俺を見つめる瞳がそう言っているよ。
今日の出来事を俺から言わなくてもいいな。
優は小林から聞きたいだろうから。



「それがいいかもね!けど鈴木くん、相沢さんとメール続けるの?」



「うん。でも自分からは送らないよ。もう迷いたくないんだ…」



光が見えた。
何かが輝いた。
優の中の何かが光放った感じがした。


間違っていないよ、
お前が出した答えは何も間違っていない。



「そっか。おい…沙紀、百合のアドレス教えてやれよ」



沙紀に指示をすると沙紀はメモ帳に小林のアドレスを書いていった。
俺はそれをじっと見つめる。


これで元通りだな。
あとは優次第だよ。


沙紀が小林のアドレスを書いたメモ帳を優に差し出す。
それを受け取った瞬間、優は笑顔を溢した。


その笑顔が今まで見てきた優の表情の中で一番輝いていた。


愛しいモノを受け取った瞬間だった。



「ありがとな、歩、沙紀。俺、頑張るから」



優は最後にこう言って、俺たちの前から姿を消した。
夕日に向かっていく優の姿を、いつまでも見つめていた…。




「恋っていいものだよな…。なぁ、沙紀、手繋ご?」




俺は沙紀を見ながら微笑み、右手を差し出す。
沙紀は迷わずに俺に左手を差し出した。




繋がる温もり。
優にも分かる日が来るはずだよ。



人間は温かい、と。









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