歩み



この日、俺は沙紀と自分の部屋で夏休みの課題を一緒にしていた。
その時、突然沙紀から相談を受けたのだ。
内容が衝撃的過ぎて、グラスの中に入っていた麦茶を溢してしまった。


その内容とは…
優と小林のこと。




その時の情景を思い出す。



「歩…ちょっと相談があるんだけど…」



「え?なに?」




沙紀が相談してくるなんて珍しい。
だから余計変だと感じたのかもしれない。



「百合のことなんだけどね?あたし、先週百合と遊ぶ機会があって、その時に気付いたの…」



沈んだ表情をして淡々と言葉を並べていく沙紀。ちょっと、心の準備がまだ出来ていないよ。



「…な…に?」



怖かった、聞くのが。
優の笑顔が頭の中に浮かぶ。
この笑顔を壊したくない。




「百合の腕とかにね、アザがあったの…。」




ま、まさか。
そんなわけないよ。
沙紀は優が殴ったとでも言いたいわけ?
俺は信じないよ、そんなの。



明らかに動揺をする俺。正常なまま聞いていられる方がおかしいよ、そんなの。



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