歩み



先輩とのことは内緒にしよう。
これは沙紀と決めたこと。



そして時は過ぎ、秋晴れの日。
最近、優が学校に来なくなった。
理由は知らない。
連絡を入れても返事は返って来なかった。
だからそれ以上聞かなかった。
何回も聞いたら、優が嫌になって余計言いたくなくなりそうだから。


そして小林。
先輩とどうなったかは聞いていない。
沙紀も小林からは聞いていないと言った。
小林は優が学校に来ないことに心配をしていた。小林も俺と同様、優から返事は来ないらしい。


二人の歯車はもう止まってしまったようだ…。



この日の三時間目。
授業中にいきなりドアが開いた。
教室に入ってきたのは、優だった。



「優!?すげぇ久しぶりって感じがする!」



「そうだな」







優は、笑顔を無くした。
久しぶりに見て思ったのだ。
ちゃんと笑えていない。それがわざとなのか知らないが、笑えていなかった。




笑えよ、優。
俺は作り笑いなんか見たくない。







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