歩み


人間が笑顔を無くしたら、人形に変わってしまう。
俺はそう思っている。


優は人形なんかじゃない。
喜怒哀楽があって、感情もあって、笑顔もあって。

でもこの時の優は人形にしか見えなかった。




…授業が終わり、休み時間になった時、優は一人でどこかに行ってしまった。
心の中でほっとする俺。優となんて会話をすればいいのか分からないからだ。



すると再び、優が教室に戻ってきた。
その表情から伝わってくる決心。
きっと優は…。



「百合、次サボれるか?」



突然優が小林に話しかけた。
その言葉には穏やかさなどなく、刺々しい言葉だった。

自分の気持ちを押し殺すような。




「大丈夫かな…二人…」



二人の後ろ姿を見ながら隣にいた沙紀が言う。
正直、こればかりは分からないよ。
どっちに転がるなんて、優しか知らない。



俺はただそれを待つだけだ。



15分という休み時間が長い気がした。
早く答えが知りたい。



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