歩み


「沙紀は二人にどうなって欲しい?」



頬杖をつきながら、沙紀に質問をする。



「あたしは…別れないで欲しい…」



沙紀は素直だね。
俺もそう思うよ、けど、それは本当に優にとって幸せなことなのだろうか?



この時、優はどんな思いだったの?
苦しかった?
辛かった?



俺は、お前の涙を見た時、本当に苦しかった。



あと少しで休み時間が終わってしまう。
二人は帰って来ないつもりなのだろうか?


優は小林に何を話しているのかな。
そればかり気になって、さっきから時計ばかり見ている。



そんな時、廊下に響いたのだ。



「離せって!!」



廊下に響き渡る、誰かの怒鳴り声。
その声に反応をする生徒たち。

俺は教室の窓から廊下に顔を出して様子を伺う。


不安だった。
この声は、もしかして。


「…優…?」



ずっと長い廊下の先。
俺は二人の存在に気づいた。



そこはもう修羅場となっていたんだ。



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