歩み



そんなの嫌だ。
だから壊して…。




「放して」



もう限界だった。
これ以上二人を見ていられない。
周りは野次馬で溢れている。


その中に破壊を望んだ人は何人いるだろうか。



俺は優たちの間を引き裂いた。



「おい、優!何があったんだよ、何だよこの騒ぎ」



二人を交互に見たあと、周りの野次馬にガンを飛ばす。
すると俺の怒りに気づいた野次馬たちは静かにその場所から離れていった。


見るな、見るな、
誰も見るなよ…。



ふと優を見ると、優は静かに涙を流していた。
その涙は優の中に溜まっていたものを洗い流しているようだった。



太陽に反射して、きらりと光る涙。


泣くほど辛かったんだな。
泣くほど悩んだんだな。


それから沢山のことが分かったよ。



「俺は百合が好きじゃない」




この言葉は優の精一杯の強がり。
俺はそう思っている。




いつか、このことが笑い話に出来たら、その時はきっと幸せなんだよ。





その日が来ると優は思いますか?






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