歩み
今の俺は温かいものを求めているのだろう。
きっとそうだ。
「苦しい…?」
沙紀が俺に紅茶が入ったマグカップを渡して、俺の隣に座る。
色鮮やかな紅茶に、俺の悲しそうな表情が映る。
悔しそうな顔。
もがき苦しんでいる。
「俺、今の優と真正面から向き合えない気がするんだよ。だって…変わっちゃったし…。それに優はまだ小林が好きだと思うしさ…」
「確かに、鈴木くん変わったよね。話しかけづらいっていうか…。けど鈴木くんは歩が何か言ってくれるのを待っているのかもよ?」
抱き枕を抱く力を強くする。
心地よい肌触り。
ずっと抱いていたい。
優は俺を待っている?
何の為?
自分に素直にならなきゃ意味ないじゃないか。
「俺さ、正直怖いんだよ。優と話すの。何て言っていいか分からなくなる…。優の目を見てると何も言えなくなるんだ…」
優は必死で強くなろうとしている。
俺は間近で見ているから分かるんだ。
けど、肝心なところを見失っている。
それは体は正直だということだ。