歩み


優の気持ち次第ということだ。



「そっか…あっそういえば、安里と小林別れたらしい」



俺は目を離さず、優をじっと見つめる。
体は正直だから、正直な行動を取るはずだ。


広瀬をほっとけなくても、それはただの優しさかもしれない。
優しさは時々好きだと勘違いさせる。


俺はよくそれを知っているから。



「えっ?」



苦笑いを浮かべて聞き直す優。
俺はジュースを一口飲み、再び言葉を並べる。



「つい最近だってさ」



まるで人から聞いたような発言。
安里から聞いたなんて言えなかった。
もし言ったら『どっちの味方なんだよ』と言われそうだったから。



「そうなんだ」




俺の言葉を聞いたあとの反応はこれだけ。
案外あっさりとしていた。


なぜ?
それじゃあもう小林のことは本当に好きじゃないということ?



「これ聞いてどう思った?」



これがラストチャンス。優の反応を見るのは最後だ。
にやりと笑い、優の返事を待った。




「…別に」



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