歩み
一日は24時間しかなくて、その限られた時間の中で俺はどれだけ生きた証を残せただろう。
どれだけの思い出を作れただろう。
世界が怖い。
正直、こう思った。
もし明日世界が滅びると言われたら、俺は何も出来ずにただ無心となり立ち尽くすだろう。
そしてもし明日最愛の人がいなくなると言われたら、俺は何をするのかな。
泣く?
それともそのあとを追う?
優はこの答えをずっと探していたんだ…。
…色づいていく世界。
殺風景だった桜の木に新しい蕾が膨らんでいる。
あともう少しで咲きそうだね。
今年もちゃんとピンクに咲くだろうか。
俺の予想はピンク。
この予想は外れなかった。
安里の話を聞いて、ずいぶんと時が経過する。
気づけばもう春休みが終わっていて、華の高校生活が今年で終わってしまうところだ。
優のことが気になって仕方がない。
けれど聞けるはずもない。
何も出来ないまま、春を迎える。