歩み
優は頑張っている。
だから俺も頑張ろうと思うんだよ。
小林、あのときの約束を覚えているか?
俺はあの約束をどうやって守ればいいか分からないんだ。
俺は優の力になれるのかな…。
…時間が過ぎるのは速すぎる。
来て欲しくない日があると何故こんなにも時間は速くすぎていくのだろう。
そう感じるのは俺だけだろうか。
小林が日本からいなくなる前日。
俺たちは悲しい気持ちを胸にしまい込み、小林との最後を過ごした。
帰りのホームルーム。
先生が少し寂しそうな表情を浮かべて、あることを話し始めた。
「ええと、3ヶ月カナダに留学する小林さんは、今日から少しの間みんなとお別れです。小林さん、前に出てきて」
先生がこう言うと、小林が席を立ち、恥ずかしそうに前へと向かっていった。
夕日の光が小林を照らす。
彼女が主役だといっているようだ。
今日の主役に小林はふさわしい。
そんな小林を俺は直視することができない。
込み上げてくる涙を必死に抑えていた。