歩み
やはりまだ信じられない自分がいるのだろうか。
唇をぎゅっと噛みしめ、小林を見つめる。
このとき、後ろにいた優はどんな気持ちだったのかな。
そう考えると今でも胸が痛いよ。
「みんな拍手して!」
先生が生徒たちに拍手を求めると、誰一人嫌な態度を見せず、快く小林に拍手を贈っていた。
俺もその一人。
クラスがひとつになった瞬間だった…。
「小林さん、どうぞ?」
「はい…えっと…明日から私はこの地を離れます。本当に寂しいです…。でもまた笑顔で帰ってくるのでよろしくお願いしますね!!」
この小林の言葉に誰もが『また会える』と思っていただろう。
もう二度と会えないはずはない。
そうみんなが思っていた。
そう、みんなが…。
けどこれが小林の最後だったんだ。
最後にクラスのみんなが見た小林の表情は…
笑顔だった…。