歩み



俺たちは小林に逢えるだろうか?



その答えに正直迷いがあった。



「…あゆ…む?」



ポロポロ落ちていく涙。どうしてかな、止まらないんだ。




「ご…めん。なんか悲しくなっちゃって…。」



「泣かないでよ…歩…」



時間を止めてくださいと何回願ったかな。


優のことを考えると苦しくなる。
小林のことを考えると切なくなる。



二人の運命の歯車は狂っていった…。





沙紀を家まで送り、俺はゆっくりと自分の家へと目指した。
一人になりたいと思った俺は、わざと遠回りをして自転車を走らせる。


風にあたりたい。
風にあたって涙を乾かしたい。



明日の見送りで泣かないように。



ある場所で自転車を止める。
緑公園という場所だ。
自然を肌で感じ、気持ちをリセットしようとしたのだ。




青いペンキが色褪せているベンチに座り、空を見上げる。

空はもう夜になろうとしていた。


公園の外灯が点いたとき、後ろから誰かの声が聞こえてきた。



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