消えない、消せない


 告白は俺からで、彼女は照れくさそうに俺を受け入れてくれた。
 彼女に慕われているなんて自覚は当時の俺にはこれっぽっちも無くて、半ば玉砕覚悟で彼女に気持ちを打ち明けたのだが…あっさりと満面の笑みでOKを貰い、嬉しさと驚きでぐちゃぐちゃになった俺は、情けない事に初めて彼女の前で膝から崩れ落ちたのだった。

 地面にへたり込む俺を見て、涙が出るくらい笑っていた彼女。それにつられて、俺自身も人生で初めて腹が痛くなるほど笑った。



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