消えない、消せない
そう言って赤く頬を染めた彼女を見て、予想もしていなかった反応に不覚にも全く同じ態度をとってしまった。熱い顔を見られたくなくて長い前髪で目元を隠すと、細い指が伸びてきて俺の前髪を掻き分けた。
目の前には笑顔を浮かべた彼女、頬は相変わらず誤魔化しようが無いくらい赤いが…前髪で顔を隠した俺より対応はずっと大人で。
魅力の塊である彼女に友人以上の感情を抱くのにそう時間はかからなかった。むしろ俺は、最初から彼女に惚れていたんじゃないかと…惹かれる運命にあったんじゃないかと今考えると思う。
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