マスカレードに誘われて

ホーキング家の長男、ロイは今日で成人を迎える。

10月31日と言う、不吉な日に生まれてきてしまったために、今まで肩身狭い思いをして来た。
自分を偽り、名前を偽り、全てを偽ってきた。

頭脳より腕っぷし。
自由奔放な彼にとって、それは耐え難い事だった。

陽の明かりを見ることが出来ない、暗い生活。
これからもそうだと思っていた。

それが、一週間前の父親であるジェームズのお陰で一転し、見事社交界に出ることを許された。

父親が何を考えているのかは分からない。
しかし、今日は深いことは考えずに、純粋にパーティーを楽しもうと彼は思っていた。

< 5 / 164 >

この作品をシェア

pagetop