(続)それでも大好きなんです
…ううん、違うよ。
そんなことない。
私は優樹が大好きだったよ。
「でも、拓哉のとこに行って幸せそうな夏希を見てると、すごく嬉しいです。拓哉、夏希を泣かせんなよ!」
優樹のスピーチが終わった。
優樹、ありがとう。
優樹との思い出、絶対に忘れない。
「次は莉子!」
莉子がスピーチ台にあがった。
「私も、拓哉が大好きでした。でも、拓哉は夏希ばっかり見ていて、私のことなんて一切見てくれなかった」
そう話す莉子は、すごく切なそうだった。
「でも私は拓哉を振り向かせるために、卑怯な手をたくさん使った。夏希のことも傷つけたし、拓哉を縛り付けた。ごめんね」