妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>

 みるみる緋音の口が引き攣るのがわかる。

「あんた、マジでバカ?」

「……ごめん…」

 痛い言葉に平謝りすることしかできない。
 それを見た龍二は、緋音の顔を覗き込むように腰を曲げた。

「緋音ちゃん、だっけ? 何でこいつが女だって知ってんの? 説教する前に教えてよ」

 緋音はため息をつきながら腕を組んだ。

「説明すると長くなるけど、結論から言えば、形は違えど、あたしはあんた達と同業者よ」

「同業者?」

 首を傾げながら言葉を返すと、今度は遥が説明し始めた。

「緋音は西洋魔女の末裔で、バンパイアハンターなんだよ」

「せ、西洋魔女ぉ!?」

「俺が中学時代、緋音の親父さんに料理を習いに行ってたことがあってな。そこで緋音の双子のねーちゃん達に……」

 遥は頬を染めながら体を抱きしめた。

「何された!」

「お着替えさせられたんだよ…」

「…はい??」

 間を置いてマヌケな声を出すと、今度はため息混じりの緋音が説明した。

 
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