★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
ぎゅっ





山崎「美鈴…?」





美鈴の何かを考えている様な沈黙と共に美鈴が自分の着物の裾を少し掴んでいる行動に驚いて山崎は美鈴に心配する様に言葉を紡いだ。




そんな山崎に美鈴は縦に首を振りながら、山崎の着物の裾を掴んだまま口を開いた。






美鈴「座って下さいっ!!」






私にとってはこの時間が大切で、





かけがえの無いモノで、





でも、幕末という時代に居る時間の事では無くて、




とても大切で、かけがえの無いモノは壬生浪士組の人達と此処に笑顔で笑っていられる時間だから。




だから誰かに居て欲しくて、笑いかけて欲しくてだから今、私に話しかけた丞に縁側で私の隣に居て欲しかった。





山崎「ったく…しゃあないなっ!…丁度隊務も終わった所やし。」





仕方がないと言う様な口振りの丞だけど、丞はちっとも嫌そうな表情なんかしないで縁側の私の隣に腰掛けてくれた。






美鈴「ありがと。」






丞が言っていた隊務はきっと、芹沢さんの事だろう。




きっと今日、芹沢さんの暗殺計画の会議が行われている。





私が縁側に座る少し前に土方さんは近藤さんの部屋に多分、芹沢さんの事で会議に行った。





沖田さんなどの芹沢さん暗殺に関わったとされる人達は部屋に居ないのに、





永倉さんとかの関わったとされていない人達は部屋に居るもん。
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