青春と幼なじみ

お花見




―それから5日後―




「ねぇ、明日休みだし、お花見しない?」




「「え?」」




いつものように休憩時間に集まって話をしていた時だった。




「どうした?
急に。」




「う〜ん、今年まだお花見してないな〜って」




そろそろ春も終わり、夏が近づいてくる頃。




だから桜が全て散ってしまう前に、三人でお花見をしときたいと思って提案した。




「花見かー。
確かに今年はいろいろあってじっくり桜なんて見てなかったからなー」




「でしょ?
だからさ、明日行こうよ!
ね?」




「う〜ん、そうだなー。」



腕を組んで考える葉月。




葉月ならすぐに「いいね」って言ってくれると思ってたんだけどな…。




「…わかった。
じゃぁ明日桜丘公園で待ち合わせしよう。
二人の弁当も作って行くからさ」




「ホント!?
やった!」




って、あ…。




そういえばいきなり明日なんて言っちゃったけど、南も葉月も用事なかったのかな…。




私自分のことだけ考えてた…。




「どした、葵?」




「…葉月、南。
明日用事があるんなら別に無理して来なくてもいいから…」




下を向いてうつ向いて言うと、「葵」と南に名前を呼ばれた。




何…?




と思って顔を上げると、ビシッとオデコに音がして、ジーンと痛みが走った。



「痛っ!?」




え、何が起こった!?




オデコに手を置いてスリスリさすると、南と葉月が笑い出した。




「な、何で笑うの!?」




「バーカ、余計な気を使うな。
俺も葉月も、何もねぇから一緒に花見行くんだろ。」



「それに、葵の頼みなら断るわけないよ。
…楽しみだな、花見」




「南、葉月…。
うん!」




笑顔で笑う二人に、私も微笑んだ。





ありがとう、二人とも。




この楽しい日々がこれからもずっと、続いていけばいいのにな…。









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