青春と幼なじみ
南がなんとか葉月を家に送った後、私たちも家に戻った。
―月曜日―
「葵、おはよう」
「おは…よ…葉月…」
教室で声をかけられて思わず少し後退りしてしまう。
葉月、お花見の時のこと覚えてるかな…。
「オッス、葵。
っと…葉月…」
南もなんだか警戒してるみたい。
「…どうしたんだ、二人とも?
何かいつもより距離が遠いような…」
「…葉月、土曜日の時のこと覚えてる?」
「土曜日?
お花見した時のこと?」
「うん…」
「うーん、俺何故か途中までしか覚えてないんだよなー。
吉田さんたちに会って、葵たちがおはぎを食べてたのは覚えてるけど、その後の記憶が…」
「ないの?」
「うん」
葉月、あの時の覚えてないんだ。
良かった…。
「何かあったのか?」
「いや、何も…」
覚えてないならこのままにしとこ…。
「南、葉月には内緒にしとこ」
「そうだな」
コソッと話して私たちは笑った。