青春と幼なじみ
「…な、何だよ、その目は…。
ちゃんと教室で待ってたぞ!?
最初はな…」
「最初は…?」
「待ってる時、葉月が思い出したんだよ。
さっきの山田千太郎とかいうやつのこと」
「思い出したって、何を…?」
「…二年A組の先輩で、表では良いような顔をしてるけど、裏ではタバコ吸ったり、酒飲んだり、ケンカしたりしてるって…」
「そうなんだ…」
そういえば確かにタバコ臭かったような…。
「タバコもお酒もしてるなんて…。
南より悪い人だね」
「おい、あんな奴と一緒にすんなよ…」
「…そうだね。
南もケンカするけど、タバコもお酒もしないし、おまけに少し優しいし、南の方がいいね!」
「おまけかよ…」
そっか。
そう考えると南って結構真面目な方なんだよね…。
「…そういえば、葉月は?
全然見ないけど…」
「ん?
俺と一緒に来てたから、後ろにいたはずなんだが…」
南が扉を開けた時、ちゃんと葉月も来てたことは確認した。
一体どこ行っちゃったんだろ…?