青春と幼なじみ
キョロキョロとあたりを見回してみる。
「あっ!」
すると、扉の奥の階段から手をふっている葉月の姿を見つけた。
「南、葉月いたよ?」
「お、本当だ」
こっちににこやかな顔をして近づいてくる。
「おい葉月。
どこ行ってたんだよ?」
「ちょっとね」
「ちょっと…?」
「まぁ、気にしなくてもいいことだから。
さて、葵も無事だったことだし、帰ろう」
「う、うん…」
「おう…」
曖昧な返事をして先に行く葉月の後をついて行く。
南と顔を合わせながら首をかしげた。
何で葉月、あんなに機嫌が良いんだろう…?
謎に思いつつも、何故か聞けなかった。