青春と幼なじみ
「じゃぁ着替えたら海の家集合な」
「「了解」」
「ってあ、待って。
私水着持ってきてないから買わないと…」
「え?
そうなんだ。
じゃぁ海の家で買うの?」
「うん。
そうなるかな」
「じゃぁ海の家言ったら着替えるとことかもあるだろうし、そこで待っとけよ」
「うん、わかった」
「じゃぁ」と二人と別れて、私は海の家に向かった。
海の家と言ったら、ボロくて水着なんて売ってないって思うだろう。
けど、私たちが来た海は違う。
何か…海の家っていうか、小さいスーパーみたいな?
もちろん食べ物も売ってるけど、ここでは水着や浮き輪なども売っている便利な海の家なのだ。
さっそく中に入って水着を選ぶ。
「あまり派手じゃないのがいいな〜…」
どっちかというとシンプルの方が好き。
「ん〜、よし。
これに決めた!」
決めた水着をレジで払って、着替えルームに行って着替えた。
「うん、いい感じ」
等身大の鏡で全体を見て確認する。
「さて、南たちもう来てるかな…」
着替えルームからでて、壁にかけてあった時計をチラッと見た。
南たちと別れてから15分もたっていた。
「やばっ。
待ちくたびれてるかも!」
急いで海の家から出て少し浜を歩いてみる。
久しぶりの砂の感触が何だか懐かしくて、ずっと歩いていたい気分だった。
それにしても…。
いまだに南と葉月の姿が見えない。
男子の着替えルームって、海の家と結構離れてるっけ?
と思いながら海の家の近くの砂浜でうろうろした。
「あっ、ヒトデ!」
一部だけ砂浜に海水があって、その中に一体だけ赤いヒトデがいた。
ヒトデに近いてツンツンと触ってみる。
海には結構三人で遊びには来ていたが、ヒトデを見るのも触るのも、今回が初めてだった。
「…意外と硬い…」
もうちょっとぷにぷにしてるもんだと思ってた。
「…キミも一人?
私も一人なんだ…」
つつきながら独り言をポソッと呟く。
早く南と葉月来ないかな…。