青春と幼なじみ



―次の日―




「・・・」



「・・・」




・・・甘かった!



全然話せない・・・。



行きしは南先に行っちゃってるしさ!



・・・どうしたらいいのかわかんないよ・・・。



南とケンカするのは初めてじゃない。



ていうか、ケンカなんていつもだ。



けど・・・次の日になったらコロッと忘れたみたいに話しかけてくれるのに・・・。



今回のケンカはいつもと違う。



こんなに気まずいの初めて・・・。



せっかく楽しいはずの高校生活が始めっからこんなのだなんて・・・。



私から話しかけた方がいいのかな・・・?


















「・・・い。
あおい、葵!」



ハッと目が覚める。



「あれ、私・・・」



「もう昼だよ?
ずっとぐっすり寝てたね」



ハハハと隣で笑う葉月。



「昼ごはん、食べに行こ?」



「え、あ、うん・・・」



寝起きでボーとしてる頭で立ち上がる。



すると、ガクッと膝が曲がってバランスを崩してしまった。



「わっ!」



「危ない!」



倒れるところで、葉月が体を支えてくれた。



「あ、ありがと、葉月・・・」



「どういたしまして。
平気?」



「うん」



さっきので目はしっかり覚めた。



葉月から体を離して気づく。



「あれ?
葉月、南は・・・?」



そう聞くと、葉月は苦い顔をした。



「南・・・ケンカしに行った」



「え・・・?
な、何で止めなかったの!?」




「止めたさ。
けど、俺のいうことに耳もかさず行ったよ・・・」



「そんな・・・」



最近の南はケンカする量も減っていい感じになってると思ってたのに・・・何で・・・?



「止めに行かなきゃ・・・」




そう思うと、足がかってに進みだしていた。



「葵!
行くってどこに!?」



私の腕を掴んで葉月が止める。



「わかんない・・・。
わかんないけど、南をこのままにしとくわけにはいかないよ!」



「だからって無闇に行っても・・・!」



「私たちはもう中学生じゃないんだよ!?
昨日から高校生なの!
ケンカなんてしてたら南学校止めさせられちゃうよ!」



大声を出した私に教室にいた人も、葉月もビックリしていた。



「葵・・・。
わかったよ。
一緒に南を探しに行こう」



「葉月・・・」



納得してくれた葉月にうなづいて、ご飯なんて後にして二人で南を探しに教室から出た。
















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