青春と幼なじみ
おまけ
☆おまけ☆
【葉月】
…最近何と言うか…切ない。
いや、別に南と葵が付き合ってることはいいんだ。
二人の幼なじみとして、応援してるし、嬉しくも思う。
けど、最近二人の間にいることが少し苦しくなってきた。
俺は二人の邪魔をしていないか?
俺はいない方がいいんじゃないか?
とか、1人でいる時余計なことばかり考えてしまう。
もちろん二人は俺のことを邪険に扱ったり、思ったりしてないことなんてよく分かってる。
分かってるけど、不安なんだ…。
俺の居場所はなくなったんじゃないかって…。
毎日が不安で仕方がないんだ。
「琉衣、琉衣は辛くないのか?
二人の側にいて」
ある日、南と葵が側にいない時、俺は昔の幼なじみで、今も仲のいい琉衣にそんなことを聞いていた。
「辛い?
よく質問の意味がわからないけど…そんなことは全くないかな?」
「そっか…」
何で琉衣は平気なんだろう…。
やっぱり俺より一緒にいた時間が身近かったから?
だったらまぁ、納得もいく。
「…反対に、葉月くんは二人といて辛いの?」
「え…」
まさか聞き返されるとは思ってなかった。
「辛いって言うよりも…苦しいって方かな…。
二人はいつも楽しそうで、俺なんかいらないんじゃないかって、この頃考えるようになって…」
「…二人がそんなこと思ってると思う?」
「思ってないさ。
けど、不安なんだ…。
本当にそうだとしたら、俺はどうすればいいんだろう…って」
「じゃぁ、葉月くんはいらない存在じゃないって証明しようか?」
「証明って…。
どうするんだ?」
「保健室で寝てて。
二人呼んでくるから」
「え、ちょっ、まっ…!」
呼び止めない内に、琉衣は教室から出て行ってしまった。
「…保健室で寝てて、どうなるっていうんだ…」
訳がわからないまま、とりあえず言われた通りに保健室で寝てることにした。
ーーー……。
「失礼しまーす」
ガラッと扉をあける。
中に入ってみると、先生は留守みたいだった。
「勝手に入っていいのかな…」
まぁ、ちょっと横になるだけだし大丈夫だろう。
そう思って一番奥のベッドに行ってカーテンを閉め、横になった。
うわっ、いい感じにふわふわだ…。
入学して以来、始めて入る保健室。
中学校のよりふかふかだ。
「……」
ヤバイ、最近考えてごとばかりし過ぎてあんまり寝てないから眠くなってきた…。
本当は少しだけ横になるつもりだったのに、気づいたら俺は眠りに落ちていた。