御劔 光の風2
二人が歩きだした瞬間、爆発音が辺りに響く。

突然の爆発音に一気に緊張が走った。

カルサ達は少し身を屈めて周囲の様子を伺う。

二人とも一歩も動かず黙って息を殺していた。

しかし違和感が隠せない。

大した爆発音でなかったことに加え、それ以降何も続かないこと。

周りの空気も何も変わらず、自分たちだけが気にしているだけのようにも感じる。

カルサはラファルの様子を伺い、そして身体を起こしてため息を吐いた。

「心配はいらないようだな。」

「ですね。」

ラファルが少しも警戒をしていない、爆発音が響いたわりに鳥達も穏やかだった。

何か敵襲ではなく自発的に行なった音なのだろう。しかし何の為に、何を?

人の気配がし、二人はその方向に目を向けた。

だいたいの予想は付いていたが、まさにその人だった。

「あれはセレモニーの開始が近いことを知らせる合図だ。お前たちのな。」

ジンロが近付きながら話すことにカルサは呆れながら笑った。

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