御劔 光の風2
「嬉しい事だな。ところでジンロ、ここには何の影響もないのか?」

「ああ。まだ、な。」

でもそう遠くない。ジンロはそれを目で訴えた。

カルサも千羅もそれを感じ、気持ちが引き締まる。

さっきとは違うカルサの態度にジンロは心の中で胸を撫で下ろしながら千羅を称えた。

「そういや英琳はどうした?」

千羅を見つめていて思い出したが、相棒である彼女の気配は全く感じない。

「シードゥルサの警備をしています。」

「そうか。」

小さく頷くと千羅もまたさっきまでとは違い、冷たさをなくした態度で接した。

同じ様な態度に同じ様な反応、そういえばさっきもそうだった。

まるで対になる双子のような関係だな、そう心の中で呟いた後ジンロは厳しい表情で二人を見た。

「油断はするな。どこから来るかは分からない。本当に来るのか、それとも罠か。」

その言葉に緊張が走る。

眉をひそめるカルサは最近起きた一連の事件を思い出していた。

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