御劔 光の風2
「標はいくつか示していないと迷うときがあるだろう。」
「それを今示す理由をです。」
「その時だと考えたからだ。」
そう告げて下げたカルサの視線の先には賑やかに印が並ぶ地図があった。
未曾有の事態、城にいるからと行って絶対に無事であるとは言いきれない。
カルサの真意は分からない、しかしもし自分が出動するつもりでいるのだとしたら。
だからリュナが真っ先に頭を下げたのだとしたら。
雷神として命を懸けてこの嵐を鎮めようとしているだとしたら。
「何をお考えで?」
嫌な方にしか考えが回らず口にしてしまう疑問、カルサはハワードの疑う視線を慣れた雰囲気でかわした。
「この国のことしか考えていない。」
笑みも含まないカルサの眼差しは迷いのないことを告げている。
それが全てだと、誤解もなくそれぞれの心に落ちた。
「ったく…面倒臭い国王陛下だよ。」
サルスよりも先に言葉を発し場を和ませたのは貴未。
ため息混じりに吐いた台詞には諦めよりも信頼の色が濃かった。
「それを今示す理由をです。」
「その時だと考えたからだ。」
そう告げて下げたカルサの視線の先には賑やかに印が並ぶ地図があった。
未曾有の事態、城にいるからと行って絶対に無事であるとは言いきれない。
カルサの真意は分からない、しかしもし自分が出動するつもりでいるのだとしたら。
だからリュナが真っ先に頭を下げたのだとしたら。
雷神として命を懸けてこの嵐を鎮めようとしているだとしたら。
「何をお考えで?」
嫌な方にしか考えが回らず口にしてしまう疑問、カルサはハワードの疑う視線を慣れた雰囲気でかわした。
「この国のことしか考えていない。」
笑みも含まないカルサの眼差しは迷いのないことを告げている。
それが全てだと、誤解もなくそれぞれの心に落ちた。
「ったく…面倒臭い国王陛下だよ。」
サルスよりも先に言葉を発し場を和ませたのは貴未。
ため息混じりに吐いた台詞には諦めよりも信頼の色が濃かった。