御劔 光の風2
貴未は分かっているのだろうか。

この先起こるかもしれないことや、いざというときのカルサの守り方を定めているのだろうか。

「本来の任務を疎かにしないように、それだけは守って。ここにいるのは君だけじゃない。」

それだけは言っておかないと、その思いだけでナータックは答えた。

その言葉に貴未は周りを確認する。

そうそうたる顔ぶれが並んでいる、国の中枢にいる人物たちだ。

確かに彼らは凄い人なのだろう、しかし彼らにカルサを守れるのか。

それなりに年を重ね前線から暫く遠ざかったような人たちばかりだ。

「勿論です。」

傲りだと思われても、ここにいる戦力はナータックと自分だけ。

リュナは弱っているしタルッシュはまだ未熟だ、現役で剣を握っている兵士もいるが特殊能力はない。

ナータックは特殊能力は無いが剣の腕は文句なしの一流だった。

「ともかく、伝達役というのは有益な案だ。懸命に働き力を尽くしなさい。」

まとめるようにハワードが話始めると、取り残されていた周りが頭の中を整理し始めた。

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