御劔 光の風2
「なんで分かるんや?」

このまま流れるように解説されても困る、片手を出して千羅の言葉を遮るように聖が声を出した。

聖の問いに視線を向けると今度は顔を向けて彼と向き合う。

「宙に浮いてたんだろう?特殊能力を使えるのは御劔に関わる者だ。」

その言葉に誰もが疑問符を浮かべた。

御劔に縁のある者は特殊能力をもつ御劔の子孫であったり生まれ変わりであったり、タイプは様々に存在するが何かしら関わりがある。

もちろん、縁があっても何の力も持たない場合もあり、隔世遺伝で突如発揮する者もいると千羅は続けた。

すかさず貴未が挙手をして質問を投げる隙を作る。

「じゃあ、空間を飛べる俺や聖と紅も御劔に縁がある?」

「可能性はある。ただ必ずしもそうとは限らない。」

貴未の言葉に頷くと千羅は自身の考えであることを主張しながら彼なりの答えを渡した。

「ほんならあの人は誰なん?あの女の人。」

紅の言わんとする人物が誰かを悟り、千羅は思わず歪みそうになる表情を抑え極めて冷静に答えた。

< 431 / 452 >

この作品をシェア

pagetop