御劔　光の風２
「この事態は異例だ。」

その言葉を残し、二人は一瞬にして姿を消した。

部屋の中は静けさを取り戻し、やがて紅の一言によって沈黙は解消される。

「分からんことだらけやな。何に関しても。ナル、静かやったけどどないしたん？」

「貴方たちに任せていたのよ。もう年寄りが出る幕ではないの。」

そう言いながら腰を叩くナルの言葉はその場を和ませ、かすかな笑いを生み出した。

そんな中でサルスが日向の許へ近付き握手を求める。

「日向、心から感謝する。二人を助けてくれてありがとう。」

「いや…僕は大したことしてないよ？！」

焦って否定をする日向に微笑むと、サルスは小さく首を横に振った。

「俺たちには大きすぎることだ。事が事だけに両手を広げて歓迎できないが客間を用意しよう。」

そう言うとサルスは目でレプリカに合図を送り、彼女も全てを理解したように微笑んで頷く。

「ご案内致します。」

「あ、でも…。」

まだ目覚めない二人が気になり日向は思わず躊躇した。

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