御劔 光の風2
しかし問いかけようにも貴未の名前が思い出せず言葉がつまった。
「ちょっと…待って、ねえ!えっと…。」
日向の声に反応し、歩くペースを緩めて貴未は振り返る。
いきなり目が合ったことに驚き、失礼にも聞いたばかりの名前を忘れてしまったことがバレたのではないかと反射的に日向の動きが固まった。
「貴未だ。た、か、み。俺も人の顔と名前を覚えるの苦手でさ。でもさすがに城内は覚えきってるから何でも聞いてくれよな!」
日向の気持ちを察して歯を見せながら笑う。
明るくふるまう貴未だが依然として足は進めたままだった。
やがて人通りの少ない場所まで行くとようやく貴未はその足を止めたのだ。
「ごめんな、焦らせて。あそこってさ王族しか入れない区域で…ちょっと見付かると厄介なんだよな。」
変わらない親しみやすい雰囲気に日向は自然と笑顔になり、ありがとうと頷いた。
きっと彼は根っからこういう性格なのだろう、明るく気さくで面倒見がいい。
それが分かると緊張が少し和らぎ、日向は今持っている疑問を貴未にぶつけてみることにした。
「ちょっと…待って、ねえ!えっと…。」
日向の声に反応し、歩くペースを緩めて貴未は振り返る。
いきなり目が合ったことに驚き、失礼にも聞いたばかりの名前を忘れてしまったことがバレたのではないかと反射的に日向の動きが固まった。
「貴未だ。た、か、み。俺も人の顔と名前を覚えるの苦手でさ。でもさすがに城内は覚えきってるから何でも聞いてくれよな!」
日向の気持ちを察して歯を見せながら笑う。
明るくふるまう貴未だが依然として足は進めたままだった。
やがて人通りの少ない場所まで行くとようやく貴未はその足を止めたのだ。
「ごめんな、焦らせて。あそこってさ王族しか入れない区域で…ちょっと見付かると厄介なんだよな。」
変わらない親しみやすい雰囲気に日向は自然と笑顔になり、ありがとうと頷いた。
きっと彼は根っからこういう性格なのだろう、明るく気さくで面倒見がいい。
それが分かると緊張が少し和らぎ、日向は今持っている疑問を貴未にぶつけてみることにした。