叶多とあたし




おかげで、遊園地に叶多と二人というこの様だ。




あいにく私は受験生なんでねぇ、こんなところで兄妹仲良く突っ立っているわけにはいかないんですよー!!





あー、帰ろ帰ろ。





そう、私が出口に足を向けたときだった。






『本日は、ご予約の上ご入園ありがとうございます。また、本日は一日遊び放題デーですので、園内ではお金は一切かかりません。

その為、閉園時間までの園出入りは一切禁止となっておりますので、改めてご了承下さい。




では、心行くまで楽しい一時をお過ごしくださいませ』



アナウンスが流れた。






…………ん???







………………んん゙??!






「だってさ」


叶多が呟いた。







やだよ。




今日一日、叶多とずっと一緒ってことでしょ?








やだ。








「帰る」





「は?お前、アナウンス聞いてた!?」





「でも、帰るの」




「だから、無理だろ」





「帰る」






一向に引かない私に、


叶多はため息をついた。









だって、よりにもよって遊園地なんだもん。






無理だよ。







みんなと一緒なら大丈夫だと思ったのに、叶多と二人ではだめだ。














やばい








泣きそう。








あの日のこと思い出しちゃう…。





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