叶多とあたし
「……帰るっ!!」
「はぁ?ふざけんなよ。こんなところで俺を一人にするつもりか!?」
「そうよ。一人で楽しく遊んでれば〜?私、帰るから」
だいたい、聞いてないし!!
こいつと二人っきりだなんて!!
〜数時間前。
「おかしい…」
そう、おかしいのだ。
今日は遊園地に行こう、と自分たちで誘っておきながら張本人たちはまだ来ない。
彼哉もだ。
もう、待ち合わせを30分も過ぎているというのに、ここにいるのは私と叶多だけ。
………さっきから、すごい嫌な予感しかしない。
「あれ、遊馬さんで良いのかな?二名でご予約の」
もしかしたら先に来ているのかもしれないと、遊園地に行ってみた。
だが、無駄足だったみたいだ。
「はい、そうで……二名!?」
「ええ、遊馬日芽さん、遊馬叶多さんですよね?さあさあ、どうぞ。行ってらっしゃいませ」
半ば無理矢理入園させられた。
嫌な予感的中‥‥!!!