叶多とあたし


そこに立っていたのは、大学生ぐらいの男の人。

茶髪のショートで、前髪は目の上まで伸びている。



第二ボタンまで開けた白いワイシャツに、赤茶けたズボン。それだけなら地味なのだが、白いワイシャツの上にヒョウ柄のジャケットを羽織っているために派手に見せている。





彼を一言で表現するとすれば、ドラマなんかでよく出てくる典型的なチンピラだ。








………でも、ちょっとかっこいいかも……。


いや、かなりだ……。







叶多には負けるけど。





心の中で呟いて、自分でも驚いた。



何であたしは今叶多を出したんだっ!?






内心で焦っているうちで、彼は言った。




「遊馬日芽だよね?」




「……そーですけど…?」




何、この人!?




いきなり呼び捨て!??






ちょっと(かなり)かっこいいからって、調子のってんじゃねーっての!



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