叶多とあたし
「叶多には…あんま似てないなって思ってたけど、やっぱりこうして見ると似てるね」
短髪男が顔をぐいっと近づけてくる。
「よかった」
何がよ…。
眉を寄せて心の声を顔に出すと、短髪男は笑った。
「こんなことする俺らだってさ、同情心ぐらいはあるつもりだよ?最初君を見てさ、可哀想だなぁぐらい思ってた……んだけどねぇ…。だってぱっと見、叶多に似てないじゃん?日芽ちゃん?」
名前を呼ばれてびくんとした。
『ちゃん』付けのところがまた、たちが悪い。
「でも、こうやって見ると叶多に似てるから…。安心したよ。これで、遠慮なく叶多への嫌がらせの道具に使える…」
顎を掴まれて上に向かされて…
あたしの中には、もう恐怖しか残されていなかった。
この先、あたしに何が待ち受けているかなんて考えたくもない。