叶多とあたし
「…はい!そーし~ん☆」
ロン毛がケータイをあたしなに見せびらかせながら言った。どうやら叶多にメールを送ったらしい。文面は容易に想像ができる。
「写メ添付したか?」
「バッチリ☆」
ロン毛がウィンクする。
男がウィンクって…もう、ロン毛はチャラ男にしか見えない。
あたしの彼を表す二人称は『チャラ男』に変換された。
「ーっチッ。おい、ぜんぜん来ねーじゃねーか」
メールを送ってから30分がたった。
助けが来るが愚か、叶多から返信さえない。
……遅い。
叶多は学校でも常にケータイの電源は入れているはずだ。
なのに…何で……。
あたしは、不安と恐怖から叶多を責め続けた。
もしかしたら、ケータイが壊れたのかもしれない。
もしかしたら、今ケータイのそばにいないのかもしれない。
そんな『もしかしたら』を考える余裕さえ今のあたしにはないのだ。
何で来ないのよ…。
そんな結果論だけで叶多を責め続けた。