あの子の隣に座るコツ!
「新立と永野はどうだ?何かミッションに役立つ情報があれば言ってくれ」
白チョークを進、啓一の順にトン、トン、と向けて、ユウ先輩が発言を促した。
「じゃあ、俺から」
進が席を立って、黒板の前に歩み出た。
そのまま長めの白チョークを手に取り、黒板に向かって何やら四角やらマルやら、文字や矢印をコツコツと描いていく。
「何描いてるんだ?」
「まァ、ちょっと待てよ。説明するから」
にっと口角を上げる、意外に乗り気な新立進。確かに、校舎に忍び込んでテスト暗奪なんて、一生のうちにそう何度もできる行為じゃないからな。
バレたら退学モノのミッションだが、健全な高校生なら―ミッション自体は間違いなく不健全だが―ある程度好奇心を掻き立てられるのもうなずけるよな。
そうこう思いを巡らせるうちに、麻雀部アンド部外者のアリサが見つめる前で、最初は何の落書きかと思われたソレは、チョークで書いたことを疑うほどの精密な校舎の見取り図に変貌した。
「進先輩、すごっ…」
直紀が口をあんぐり開けて、感嘆の声を漏らした。
「意外な才能だな」
野球部のタケシ先輩も、感心したようにアゴをさすった。ていうか、いたんですね、タケシ先輩?
「校舎の全容はこんな感じですね。昇降口がここで、職員室がここ。それから、警備室がここです」
赤チョークで、昇降口、職員室、警備室をくるり、くるりと丸く囲う。
囲われた3箇所の部屋が見やすく浮かび上がる。
「昇降口から職員室まで、最短距離を行くとすれば、こうです」
進は黄色のチョークを手にとって、1階の昇降口から4階の職員室まで、シャッ、シャッ、と矢印を引いた。
昇降口を抜けて200メートルはあるだろう廊下を一番奥まで駆け抜け、階段を使って4階まで上り、そのフロアのおおよそ半ばに職員室はある。
歩いて行けば10分強の距離だ。階段も多いし、結構大変そうだな。
白チョークを進、啓一の順にトン、トン、と向けて、ユウ先輩が発言を促した。
「じゃあ、俺から」
進が席を立って、黒板の前に歩み出た。
そのまま長めの白チョークを手に取り、黒板に向かって何やら四角やらマルやら、文字や矢印をコツコツと描いていく。
「何描いてるんだ?」
「まァ、ちょっと待てよ。説明するから」
にっと口角を上げる、意外に乗り気な新立進。確かに、校舎に忍び込んでテスト暗奪なんて、一生のうちにそう何度もできる行為じゃないからな。
バレたら退学モノのミッションだが、健全な高校生なら―ミッション自体は間違いなく不健全だが―ある程度好奇心を掻き立てられるのもうなずけるよな。
そうこう思いを巡らせるうちに、麻雀部アンド部外者のアリサが見つめる前で、最初は何の落書きかと思われたソレは、チョークで書いたことを疑うほどの精密な校舎の見取り図に変貌した。
「進先輩、すごっ…」
直紀が口をあんぐり開けて、感嘆の声を漏らした。
「意外な才能だな」
野球部のタケシ先輩も、感心したようにアゴをさすった。ていうか、いたんですね、タケシ先輩?
「校舎の全容はこんな感じですね。昇降口がここで、職員室がここ。それから、警備室がここです」
赤チョークで、昇降口、職員室、警備室をくるり、くるりと丸く囲う。
囲われた3箇所の部屋が見やすく浮かび上がる。
「昇降口から職員室まで、最短距離を行くとすれば、こうです」
進は黄色のチョークを手にとって、1階の昇降口から4階の職員室まで、シャッ、シャッ、と矢印を引いた。
昇降口を抜けて200メートルはあるだろう廊下を一番奥まで駆け抜け、階段を使って4階まで上り、そのフロアのおおよそ半ばに職員室はある。
歩いて行けば10分強の距離だ。階段も多いし、結構大変そうだな。