神の卵を授かりし鳥
「つまり、アイシュタインでも解けない謎があるのだから…分からないことは放り投げてしまえばいい。そんなところかな」

「オジサン学があるね。そうゆうことだよ。沸き上がる感情だけ処理できればいいんだ。知らないことは放置しとくにかぎる」

うーん。どうしてこの若さで、こうも諦めの極致に達することが出来たんだ?この滑山で行き倒れになっていたことと関係があるのもしれんな。

ヒナ娘は弁当を食べ終わると、ペットボトルを手にした。お茶を飲むその姿は、まるで鵜が鮎を飲み込むときの姿に似ている。

「なぜこんなところで行き倒れになっていたんだ?」

「まあ…簡単に説明すると、私は人間として最も恥ずべき罪を犯してしまったんだ。そんで反省の気持ちを記号化しようと試みたんだけど、それが結構、膨大な情報で更に文字化けしちゃって脳は飽和状態。で、現状から逃げ出したくなり、昨夜ご飯も食べずに家を飛び出した」

「そして迷ったのか」

「迷ってはいない。昨夜、ここで月を見上げながら考えたんだ。家に帰ってご飯を食べるか、それともここで空腹に耐え飢え死にするか。そうしたら飢え死にするほうが楽なのに……あっ!」
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