ヤサオトコ
(休もうか)
(出社しなければ・・・)
内気な栗崎と、責任感のある栗崎が、心の中で言い争いを始めた。
(やはり、休もう)
(いや、出社しなければ・・・)
(いいや、休むんだ)
(いやいや、出社しなければ・・・)
二人の栗崎は、互いに一歩も譲らない。
(絶対に休んでやる)
(馬鹿言え、休める訳が無い)
心の中で、二人の栗崎が戦い続けている。
ついに、決着が付いた。
出社する側の栗崎が、休む側の栗崎をねじ伏せた。