ヤサオトコ

 街村は1ヵ月程前に、千通を退社した。
 街村の無念の程は、同期から詳しく聞かされていた。


 (どうして自殺なんかを。他に選択肢は無かったのか)


 栗崎は残念で仕方がなかった。


 街村は、就職活動に悲観して自殺の道を選んだらしい。


 (働き盛りが仕事を探せないのか)


 栗崎はこの時代が、この閉塞感が、腹立たしく息苦しかった。



 あくる日、栗崎は同期と街村の葬式に参列。
 同期と別れたあと、栗崎は北で酒を飲んだ。


 一人で酒をあおる。
 酔うほどに、遣る瀬無さはつのるばかりだ。
 栗崎は到底自宅に帰る気にはなれなかった。






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