ヤサオトコ
「あっ、橋爪部長。あの、イケメンですか。営業の栗崎さんの事だと思います」
女子社員が驚いた顔で沙幸を見た。
「えっ、栗崎君。どうして・・・」
「私も理由はよくわかりません。ただ、惨い人員削減で、誰がリストラされてもおかしくないと思います」
女子社員が真顔で答えた。
「ありがとう。よりによって栗崎君をリストラするなんて、信じられないわ。断固、阻止しなくては・・・」
沙幸は、談判する為に急ぎ足で千通に向った。
千通に着いた。
ロビーに入ると、沙幸は営業課長の田原に携帯電話を掛けた。
「橋爪だけど、すぐ来てくれる」
「ぶ、部長!いま、会社でっか」
田原が電話に出た。