ヤサオトコ
「栗崎さん、もうご飯食べたん」
房江は自分の心を悟られないように、話題を変えた。
「実は、まだなんです。もう、ペコペコです」
「ちょっと、待っときや。今からええもん作って上げるからな」
「何を作ってくれるのですか」
栗崎は興味津々。
「特製のお好み焼きや」
「特製?」
「後のお楽しみ。すぐ、わかるわ」
「わあ、楽しみだな。早く作って下さいよ」
「待っててや」
房江は、調理台で下ごしらえをしている。
(早く、早く)
(お母さん、まだ~)
栗崎は、子供のように待つのが苦痛だった。