ヤサオトコ
ジュー。
1杯目に続いて2杯目も。
工夫を重ねた生地。
そして、具は、キャベツ、卵、紅生姜、てんかす、ねぎ、豚、イカ、海老。
房江は大きなてこで形を整え出した。
どろどろの具がみるみる形になっていく。
丸じゃない。
何かの形に。
「あっっ、ハート型のお好み焼き」
栗崎は思わず小さな声を上げた。
鉄板の中央には、ハート型のお好み焼きが。
「これが、これが、特製のお好み焼き。お金は掛かってへんけど、心は満タンやで」
房江は2枚のてこで、手際良くお好み焼きの裏を返した。