ヤサオトコ
房江は栗崎を見て、目で話し掛けていた。
(待っててな。少しの辛抱やからな)
房江が栗崎を熱い目で見詰めた。
(野乃絵を追い出したる。
絶対に、居座らす事はさせんからな。
何か、策はないやろか。
考えたる。
きっと、考えたるからな。
それまで、ええ子やから、待っててや)
房江が心の中で、栗崎に向って両手を合わせた。
房江は、今日一日いろんな事があり疲れていた。
栗崎の顔を見ながら、房江は安らかな眠りに付いた。
栗崎は二人の女の間に寝かされて、驚くばかりであった。
三人で寝る事には、抵抗は無かった。が、左右に人の息遣いがあり、栗崎は大層、寝苦しかった。