ヤサオトコ
「てめぇ、邪魔をしやがって」
そう言うと、男は、いきなり栗崎を目掛けてナイフを切り付けた。
栗崎は、咄嗟に身を引き、素早くナイフをかわした。
「今だ。逃げるんだ」
「そして、警察に連絡してくれ」
栗崎が女の目を見て叫んだ。
女は栗崎の声に反応して立ち上がると、草むらを駆け出した。そして、道路に出ると、公園の入り口に向って走り出した。
「くそっ」
男は、女が逃げて行くのを見て、追い掛けようとした。
栗崎が、男の前に両手を広げて行き手を遮った。
「女を追い掛けるなら、俺を殺してから行け。そうすれば、お前は殺人者だ。後は、警察がお前に処罰を与えるだろう」
「お前は頭が可笑しいのか。こんな薄汚れた女の為に命を投げ出すつもりか。お前はあほか。・・・覚えていろよ」
男は、女と逆方向に逃げ去って行った。