ヤサオトコ
「あ~ん。これは、いける」
栗崎は試食のハンバーグに舌鼓。
「もう一切れ頂くわね。晃司ももらい」
「僕も頂こう」
郁に続いて栗崎が、試食のハンバーグに手を伸ばした。
「他も見てから、また来ます。ご馳走さん。晃司、行くで」
「おいしかったです」
郁に続いて栗崎が販売員にぺこっと頭を下げた。
(何や。試食だけかいな。二切れも試食して、ただ食いかいな。最近の新婚は、えげつないな)
販売員が、二人の後ろ姿を呆れた顔で見送っている。
郁は、食品売り場の通路を歩きながら栗崎に話し掛けた。