ヤサオトコ
「このハンバーグは、フライパンでさっと焼くだけ。簡単。おいしい。もちろん、電子レンジもOK」
「ほら、もう焼けたよ。簡単。旨い。さあ、召し上がれ」
販売員は口八丁、手八丁。
それを見ていた郁が、
「今晩のおかず、ハンバーグもええねえ」
と、栗崎を見て甘えた声で。
「ええのとちゃう」
栗崎が郁の芝居に同調した。
「これいかがですか。おいしいですよ」
販売員が、早速ハンバーグの試食を郁に勧めた。
「ありがとう。本当おいしいわ。晃司も食べてみぃ」
郁が試食のハンバーグを頬張った。そして、一番大きな一切れを爪楊枝で刺して、栗崎の口の中に放り込んだ。