ヤサオトコ

 単なる勘違い。
 いやいや、大変な早とちり。
 はたまた、人生最大の大目すり。


 (どうしよう。晃司はホストにまでなってあんなに私と赤ちゃんの為に頑張ってくれているのに。言えない。口が裂けても言えるもんか。こうなりゃ、隠せるだけ隠そう。そして、晃司の機嫌のいい時に謝ろう。よ~し、そうしょう。そうするしかない)

 郁はそう決心した。


 (そうだ。小さなクッションをお腹に当て、それを晒しで巻くんだ。これで、暫くは、時間が稼げる。あ~、やだやだ。こんな小細工しなければならないなんて、情けないなあ。でも、これしかないか。晃司、ごめんね)


 思わず、郁はその場で両手を合わせた。


 郁は、その足でスーパーに行き、小さなクッションと晒しを買い求めた。
 マンションに帰ると、急いで郁は、下着姿になった。そして、下腹にクッションを当て、それを何重も晒しで巻いた。






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