ヤサオトコ

 郁はお風呂場の鏡に、自分自身のお腹を映してみた。
 お腹は、こんもりと大きくなっている。



 「晃司の赤ちゃんが欲しかった。心から欲しかったよ~。ごめんね。ごめんね。本当にごめんね。うううっ・・・」




 「うえ~ん。うえ~ん。ううう・・・」



 郁は、赤ちゃんのいないお腹を摩りながら、顔をぐちゃぐちゃにして泣き崩れた。
 泣いても、泣いても、涙が止まらなかった。




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